ロッドドライヤー(フィニッシングモーター)を作ろう

ガイド位置やリールシートの位置を変更したい。高級並継竿などはストリップ仕様で買っ
たほうが安い。などでガイド、リールシートのラッピングに挑戦してみたいところです
が、問題は仕上げのコーティングです。

コーティングをキレイに仕上げるにはロッドドライヤーが欲しいけど、ロッドドライヤー
は高し…
ロッドドライヤーはフィニッシングモーターとかスレッドコートドライヤーとも呼ばれます。
リールシートとかガイドをスレッド(補修糸)で巻いた後、エポキシ樹脂でコーティングしますが、このコーティングを均一に垂れないように固化させるため、ロッドを回転させるものです。
マタギさんの製品→
他にウラシマ堂さんとか富士工業さんからも発売されていますが、5千円以上します。

モーターが入手できれば、あとは大した細工も必要なさそうなんで、作ってみましょう!
人に見せるものじゃありませんので見栄えを気にしないことが重要です。

ロッドドライヤー作成の課題は3つ。

一つ目は、ゆっくり回るモーターの入手です。
ロッドビルダーさんが販売されているロッドドライヤーの仕様をみると回転数は3〜15rpm(1分間3〜15回転)程度。

シンクロナスモーターでネット検索してみると、日本サーボさんがメーカー直販をやっています。送料と手数料で\1,000と高いですが、上記のお店なんかはモーターの価格設定が高く、合計金額では日本サーボさんで買うのが一番安そう。

トルクが必要なら回転を落とす必要がありそうですが、まあ15rpmのもので良いでしょう。

で、D-5Nシリーズ(\803)とD‐12シリーズ(\1,134)の15rpmタイプを各1ケ購入。
合計3千円弱です。
2つ目の課題は、ロッドを以下に取り付けるか。

自作ロッドドライヤーの主流は、投げ北さんタイプで水道用塩ビ管のキャップを使い3方向からネジで固定するタイプ。

でも考えてみると、センターが出ていないとロッドを押さえつけたり持ち上げたりといった方向に力が働き、ロッドにもモーターにも負荷がかかりそうで、逆に逃げを作ってやったほうがよさそう。

ユニバーサルジョイントなんかを使いたいところですが、ここまでやると市販のロッドクランプを買った方が安くて確実なので自作の意味がありません。

なんか良い方法がないかなと探してみると、米Caberas製品は輪ゴムをたすき掛けにして固定しているのを見つけました。→

これいただきです。

こんな感じに輪ゴムを十字にかけて固定されている方もいます。


DIYショップの水道コーナーに行きTSキャップの25mmを2つ購入。

振出竿に使うのなら、30mmの方がいいかも。
センターにD-5N用の方は4mm、D-12用の方は6mmの孔をあけます。
(2mmぐらいのドリルで下孔をあけてから。)

ついで側面に等間隔に4箇所4mmの孔をあけ、この孔にM5の皿ビスをねじ込みます(ビスの先が内側ギリギリまで)。

こいつに幅広の輪ゴム(4.5mm幅 折径60mm)を掛けて使用します。
3つ目の課題はロッドクランプとモーターのつなげ方です。

モーターのシャフトの直径はD-5Nの方がφ3mm、D-12の方がφ5mm。

何かいいものないかなとDIYショップを物色してみると、長ナット(ロングナット)がありました。コイツに横から孔をあけ、タップを切ってイモネジで固定することにしました。
D-5N用にM4長ナット、D-12用にM6長ナットとM3イモネジを購入。

ドリルでゆっくりと孔をあけます。最初は1mmぐらいのドリルで下穴を開け、1.5,2.0と徐々に孔を広げながら、最終的に2.5mmの孔をあけます。

注意! しっかり固定して、ゆっくりと。 管理人は、あせってドリル刃を折り、爪に孔をあけてしまいました。イタタタ


その後、M3タップをペンチで持ち、キコキコとタップを立てます。
正式にはタップホルダーを使って、2/3回転、1/3回転戻しでしたかね?
まあコレぐらいのタップなら、少しずつ切っていけば、タップホルダーはなくても大丈夫です。

塩ビTSキャップのセンターの孔にワッシャーをかまして、M4とM6のボルトを通して、作成した長ナットで固定します。
ここまでできたら、あとは簡単な木工です。

モーター側は150mm角、15mm厚程度の板に20×40mm角ぐらいの角材を間隔で裏から木ネジで固定。角材にモーターをネジ止めして、上で加工したTSキャップをモーターシャフトにイモネジで固定して完成。

モーターは、コンセント延長ケーブルをカットして、漏電ブレーカーを介して接続。
直結でも回りますが、寝ている間も回すつもりなんで安全のため。

振出竿をコーティングするときには、輪ゴムをたすき掛けにして、がっちり固定。

並継竿の場合は個々の節は軽いので、輪ゴムを十字にかけた間に竿を通して固定すればOKです。


保持台はこんな感じで、角材を切り、板の上に寝かせて裏からネジ止め。その上にローラーもネジ止めして完成。
モーターと反対側は、脱落防止にクーラーや壁などとギリギリになるように置いとくと良いでしょう。

適度な遊びがある分、弱いトルクのモーターでも楽々回転して、まずは成功です。
耐久性を考慮しなければ、D-5Nモーターで振出竿ほど重量があっても十分まわせます。


製作に必要な工具はドリル、ドライバー、キリなどは家庭にあるとして、買い足す工具
は、M3タップが\350ほどとドリル刃は百均のセットでOK(この程度の工作なら、百均品で
もいいから新品が良いです)。

モーターが2つで3千円ほど、ネジ類が一袋百円ほどで計千円ほど、塩ビキャップ\60程
度、木板、角材で千円ほど、コンセント延長ケーブルは百均。ブレーカーはもらい物。

幅広の輪ゴムが百円ちょい。

合計6千円ほどで2台完成。

自分で工作すれば、端材でラッピングベンチも作れます。
トップへ
トップへ
戻る
戻る